近藤ひでまさが執筆した論文のうち、主に政策に関係するものを公開しております。
この国の進むべき道を描こうとする思索の結晶を、ぜひご一読ください。
在外キャリアデザイン論 : ベトナム国立フエ科学大学における『「場」の教育法』の実践
筆者は、『平和・コミュニティ研究』第10 号に「ベトナム中部出身帰還技能実習生の実態とキャリアデザイン論」(以下「前稿」とする)を投稿した。前稿における筆者の問題意識の核心は「評価されるキャリアの非形成」(61 頁)だった。本稿は、この問題意識を引き継ぎ発展させた形で進めていくものである。具体的には、筆者が特任教授を務めるベトナム国立フエ科学大学(Hue University of Sciences)における実践を通じて〈評価されるキャリア〉について論じる。そして、筆者が実践の中で試みている「〈場〉の教育法」についても紹介する。
初出:平和・コミュニティ研究 (The journal of peace and community studies) , 12巻, pp.111-122, 2022年.
アーカイブ:立教大学学術レポジトリ(https://rikkyo.repo.nii.ac.jp/records/22441)
都市防災における「外国人観」の確立の必要性と「在留資格の誤謬」
都市防災においてソフト面が軽視されていることで,「災害弱者」の一つである外国人が「災害時リスク」となり得る.この原因が,「外国人観」未確立であり,この背景には「在留資格の誤謬」(在留資格制度の建前と実際の乖離)があると考える.また,「関東大震災」「阪神・淡路大震災」「東日本大震災」(以下「各大震災」とする)を取り上げ,外国人を対象とした流言の具体的状況を考察し,「災害弱者」である外国人が「災害時リスク」となる過程を「外国人への攻撃条件(Conditions for attacking foreigners)」を定立し,各大震災にあてはめ考察する.最後に「在留資格の誤謬」を解消し,日本において「外国人観」を確立する具体的な政策として在留資格「特定労働」を提言する.