ミニ集会『それぞれの万博を語ろう!』ご報告

維新ミニ集会 第4回『それぞれの万博を語ろう!』を開催しました。

我々は、「万博」について知っているようで知りません。
そこで、少し調べてみると外務省のサイトに次のように書いてありました。

万博――「国際博覧会条約」によれば、国際博覧会とは、

「二以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう」

外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hakurankai/banpaku.html

とあります。
つまり、国際条約で規定される世界規模の博覧会、その主な目的は、教育で人類の進歩を示す展示となります。

なお、これまで日本では、5回の万博が開催されてきました。

1.日本万国博覧会

(1)会期:昭和45年(1970年)3月15日~9月13日(183日間)
(2)場所:大阪千里丘陵(約350ha)
(3)テーマ:人類の進歩と調和
(4)参加国: 77カ国(日本を含む) 4国際機関
(5)総入場者数:6,422万人

2.沖縄国際海洋博覧会

(1)会期:昭和50年(1975年)7月20日~昭和51年(1976年)1月18日(183日間)
(2)場所:沖縄(約100ha)
(3)テーマ: 海-その望ましい未来
(4)参加国:36カ国(日本を含む) 3国際機関
(5)総入場者数:349万人

3.国際科学技術博覧会

(1)会期:昭和60年(1985年)3月17日~9月16日(184日間)
(2)場所:筑波研究学園都市(約100ha)
(3)テーマ: 人間・住居・環境と科学技術
(4)参加国:48カ国(日本を含む) 37国際機関
(5)総入場者数:2,033万人

4.国際花と緑の博覧会

(1)会期:平成2年(1990年)4月1日~9月30日(183日間)
(2)場所:大阪鶴見緑地(約105ha)
(3)テーマ: 花と緑と生活の係わりを捉え 21世紀へ向けて潤いのある社会の創造を目指す
(4)参加国:83カ国(日本を含む) 37国際機関、18園芸関係等の国際団体
(5)総入場者数:2,312万人

5.2005年日本国際博覧会

(1)会期:平成17年(2005年)3月25日~9月25日(185日間)
(2)場所:愛知県瀬戸市南東部、豊田市、長久手町(約173ha)
(3)テーマ: 自然の叡智
(4)参加国: 121ヵ国(日本を含む)、4国際機関(国連は国連本部を含む33の国連関係機関を含む)
(5)総入場者数:2204万9544人

今回は、これまでよりも多くの方々に参加して頂き、それぞの「万博」について語り合うことができました。1970年の大阪万博に何度も通った方からうかがった当時の様子—高揚感は、とても興味深かったです。

私は、今日の「語り合い」を通じて再認識したのは、

これまでの1から5の万博(以下「従来日本万博」)と、
来年開催予定である「大阪・関西万博(2025)」とでは、
そのコンセプトや背景が異なるのではないか、

ということです。

1970年から開始した従来日本万博は、高度経済成長という、自らの経済的・科学的発展=【人類の進歩】を中心としたものでした。
しかしながら、「大阪・関西万博(2025)」のコンセプトは、次のとおりです。

―People’s Living Lab―― 未来社会の実験場
  1. 展示をみるだけでなく、世界80億人がアイデアを交換し、未来社会を「共創」(co-create)。
  2. 万博開催前から、世界中の課題やソリューションを共有できるオンラインプラットフォームを立ち上げ。
  3. 人類共通の課題解決に向け、先端技術など世界の英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場に。

【引用】https://www.expo2025.or.jp/overview/

ここには、経済的・科学的発展=【人類の進歩】という視点ではなく、【人類の進歩】は、共創としての共生である、という「個の強さではなく、人類全体としての強さを実現」という姿勢があります。

これは、まさに日本が持つ「和の精神」そのものではないでしょうか。
私は、高度経済成長を経て先進国としての地位を築き、そして、その地位に付帯する様々な課題に直面している日本だからこそ、開催国としてリーダーシップを取れると考えます。

従来日本万博のイメージをもって、「大阪・関西万博(2025)」を語ることはできません。
我々人類の未来は、共創としての共生、そして、共生としての持続的発展にあります。

そのコンセプトを世界規模でシェアするのが、「大阪・関西万博(2025)」ではないでしょうか。