「育成就労制度」の実情と問題点

技能実習制度 → 育成就労制度 へ。

【参考】出入国在留管理庁『改正法の概要(育成就労制度の創設等)』:https://www.moj.go.jp/isa/content/001415280.pdf

国内外の批判が多くあった技能実習制度を見直したのが、育成就労制度と言われています。

しかしながら、実情は……
技能実習制度+特定技能制度 の連続性を、事実レベルから法定レベルへ変えただけ……

つまり、「現実」の追認しただけというものである、というのが私の所感です。

具体的には、見直し前は、在留資格「技能実習2号」修了等をもって無試験で、在留資格「特定技能1号」へ変更できるという建て付けになっていました。
したがって、技能実習制度と特定技能制度は、全く異なる制度として位置付けられてきました。

一方、見直し後には、育成就労制度は、特定技能制度の前段階と位置付けらることになりました。
しかしながら、見直し前から両制度は事実レベルでつながっていたので、実務上は大きなインパクトはあるとは言えないでしょう。

なお、技能実習制度で大きな問題になっていた転職(転籍)制限ですが、育成就労でも維持されています。

この点、育成就労における転職(転籍)制限は、技能実習制度よりも緩和された、となっていますが、原則転職(転籍)禁止が維持されているので、これは、単なるアリバイ作り以上のものではないとも評価できます。

引用元:出入国在留管理庁『改正法の概要(育成就労制度の創設等)』