この道より 我を生かす道なし この道を行く
ある早稲田の先輩が……亡くなった。
突然の訃報。
先輩とは知り合ってからそれほど時間は経ってはいなかったが、強烈な印象を与えてくれた。
早稲田露文卒、元教員、書評家。
先輩は、拙著小説を褒めてくれた。書評家としてプロの目で見てくれていた。
それが嬉しかった。
ただ・・・先輩の拙著小説への書評は見ていない。
「今書いているから」
最後に会ったときの先輩の言葉だ。
もっと先輩と「対話」したかった。
多くのことを学べたはずだ。
「今」は、限りがある。
だから
「今」を生きる。
「今」に全力を尽くす。
先輩の最後の「家」となった村で、先輩の元気な姿を思い出し、あらためて決意する。
この道より
我を生かす道なし
この道を行く
――武者小路実篤